森まさこ少子化担当大臣に期待する!
5月6日の午後10時から放映された「ニッポンの大疑問αーどうする?少子化対策」(BS日テレ)で、森まさこ少子化担当大臣が、日本の子育てに、希望が持てるような発言をしてくださり、大変嬉しい思いを持ちました。
録画をしなかったので、発言の正しい内容は再現できませんが、私が感じたことを述べたいと思います。
以前、BSフジの「プライムニュース」に登壇されたときは、そばにいた藤沢久美さんがよく話され、森さんはあまり語らない人だと思っていましたが、その印象は消え去りました。
今回、森大臣は、とても見識のある意見を述べて下さっています。
特に母親の働き方について、女性のアナウンサーに「あなたは、お子さんをお持ち?」と逆質問をしてから、ご自分の体験を語り、「子供を二人育てながら、(長時間?)働くなんてムリ!ムリ!」と言い切っていたところが、とても潔かったです。
また、統計数字を使って「日本人絶滅危惧種」になってしまうということを、おっしゃっていましたが、その言葉の裏には、「子育てを大切にしないと」という意味が含まれているようでした。そうです、「子育てをしない哺乳類は絶滅危惧種になります。」
世の中では、働く女性から、「3年の育児休業は現実離れしている」との意見が多いようですが、森少子化担当大臣は、「働きながら子育てをしている人は何パーセントか知っていますか? 約25%ですよ!残りの75%は自分の手で子育てをしています」と発言し、子どもたちを保育園に預けたい人たちばかりの意見だけではなく、子供を自分の手で育てたいと思っている大多数の人達の意見を尊重しなくてはいけないことを強調され、働き方の見直し、いろいろな形の働き方が認められることが大切であることを訴えておられました。
そうです、子供が小さい内は自分の手で育てたいという母親は、国立人口問題研究所の出生動向調査でも、まだ69.5%います。埼玉県では、幼稚園に通う子どもたちは、70%だそうです。
マスコミは、ご自分達がそうだからかもしれませんが、待機児解消を叫ぶ一部の発言力の強い人達の意見を取り上げ過ぎのような気さえします。
森大臣は、少子化問題は、結婚しない若者に原因があり、経済的状況や若者の働く環境を整える策がまず取られなくてはならないと断言されていました。私もその通りだと思います。
子どもたちが求めて止まないお母さんを長時間働かせるより、若者が働く方が絶対に良いはずです。
いくら昨今の若者が外国の若者と比べて見劣りするからと言って、(これはある証券会社の支店長さん(元人事部長)がはっきり申していたのですが)、やはり日本の若者を育てていく責任は会社にはあるのだと思います。
尾木直樹さんの発言は、良くもあり、悪くもありでした。
株式会社の運営する保育園の危うさについては的確に指摘しておられましたが、「少子化対策には、非嫡出児も多いに認めてどんどん生んでもらうことがよい」などと発言されました。一体その子どもたちを誰が育てるのでしょうか。
決して、差別をするわけではないのです。夫婦揃っていても、一人の子供を育てるのは、とても難しいのです。我々保育者も一生懸命援助はしますが、やはり無理がでてきます。
「保育園に預ければ、子供たちの幸せが確保される」とは、とても言い切れない状況が広がっている以上、私たち保育者は保育の現場の状況をしっかり訴えなくてはならないのだと思います。
横浜の待機児を解消した事例は、待機児問題解消策の決定打のようにマスコミに取り扱われており、安倍総理も「横浜に続け!と明言されておりますが、あれで大丈夫でしょうか。
多分、横浜市の待機児解消策は、それ程遠くない将来に、問題が噴出するような気がします。すでに問題点も報道されているようです。5年後、横浜の小学校がどんな状況に見舞われるか。私は、学校の先生がその答えを示してくれると思っています。
イノベーション・オブ・ライフの著者 クレイトン・M・クリステンセンは、問題の一部のスナップショットを見ただけで対策・施索を立てることの愚かさを伝えてくれています。
全体像を理解できる人が施索を立てるのであれば、物事に必ず付随する裏表の問題について、少しは対応が可能にはなると思うのですが、待機児対策を見る限り、一部の強い意見によって、際立った問題だけに焦点が当てられ、その問題を解決するよう政治や行政に迫る強い動きが、結局問題を更に悪化させてしまうのではないかと感じられるのです。これは愚かなことです。「群盲像をなでる」にならないようにしてもらいたいものです。要は、現実の起こっている問題の真の出所を見つけることが必要なのです。そこを曖昧にすれば結局問題の解決には至らないのです。
さて、保育士は、保育の知識の欠けている総合規制改革会議のメンバーに、その誤りを教えてあげなければなりません。「子供たちのことを考えようとしない、考えることができない人達が、国の将来を語ることはできません。」
以上
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