働く女性の36%「3歳まで家で育児を」NHK-NEWSweb

働く女性の36%「3歳まで家で育児を」

NHK-NEWSweb 9月30日 18時4分

働く男女を対象にした、仕事と子育てを巡るNPOの意識調査がまとまり、子どもを保育園などに預けて正社員として働く女性の3割以上が「子どもが3歳になるまでは母親が家庭で育てるべき」と考え、現状の働き方や育児のしかたとは異なる思いを抱えていることが分かりました。

調査はNPO「仕事と子育てカウンセリングセンター」が、子どもがいて正社員として働いている既婚の男女約1500人を対象に、ことし6月にインターネットを通じておこないました。
(回答数:女性286人、男性386人)

3割以上が「3歳まで家庭で育てるべき」

「子どもが3歳になるまでは、母親が家庭で育てるべきと考えているか」という質問に対し、「そう思う」または「ややそう思う」と答えた人の割合が、女性では全体の36%でした。
調査に答えた女性はいずれも子どもを保育園などに預けながら働いていますが、その3割以上が現状とは異なる思いを抱いていることがうかがえます。
また男性ではこの割合がさらに高く、「そう思う」か「ややそう思う」と答えた人は、全体の77.6%に上りました。

突然の早退!80%超が「心苦しい」

一方で「子どもの病気などで突然遅刻や早退、休みなどを取らなければらないことを心苦しく思うか」という問いに対し、女性の81.8%が「そう思う」または「ややそう思う」と答えました。
「家庭の事情や子どもがいることで残業や出張などができないことを心苦しく思うか」という問いに対しても、女性は「そう思う」、「ややそう思う」と答えた人が70.6%に上り、子どもの都合で思いどおりに働けないことに心苦しさを感じる女性が多いことが分かりました。

すれ違う男女の考え方

一方、「今より時間をかけたいことは何ですか」という問いで▽家事、▽子育て、▽仕事、▽自分の中身や外見、▽夫婦で考えたり行動することなどの7つの項目について複数回答で聞いたところ、男性の回答で最も多かったのが「子育て」で、全体の52.9%と半数以上になりました。
女性の回答(54.2%)とほとんど変わらず、男性がもっと子育てに関わりたいと考えていることがうかがえます。
また、男性の回答で次に多かったのは▽夫婦で考えたり行動することで全体の44.8%で、こちらは女性の28.7%を大きく上回り、家で家事や育児で忙しくしている妻との会話が十分にできていないと感じている男性が多いことも分かりました。
また、女性では「今よりもっと工夫をしたいこと」という問いに、「家事」と答えた人が69.6%と最も多かったほか、「今より丁寧に取り組みたいこと」という問いには「子育て」を挙げた人は63.6%と最も多くなり、仕事で不十分になってしまっている家事や育児をもっときちんとやりたいと考えている女性が多いことが分かりました。

「矛盾を受け止めて」

調査をまとめたNPO「仕事と子育てカウンセリングセンター」の伊藤由貴さんは、「本来なら子どもが3歳になるまで家庭で育てるべきというプレッシャーを抱えながら仕事をしている女性が3割もいたほか、仕事も育児も完璧にやり遂げたいと思っている人が多いことが調査を通じて明らかになった。仕事と子育ての両立に悩む女性に必要なのは、『本来こうありたい』と思っていることと現状でできることは違うという矛盾に気付き、パートナーとよく話し合って価値観の共有を図っていくことが大事だと思う」と話しています。

以上の調査報告から、働いていても、子育ての大切さを感じている人がたくさんいることが分かって、とても嬉しく思いました。働いている女性の約4割(36%)が、「できることなら3歳までは自分の手で育てたい」と思っているようですし、男性では約8割(77.6%)がそう思っており、いずれも仕事との間で悩んでいる状況が伺えます。

やはり、働き方の見直しがなされ、子育ての大切さが理解されなければ解決できない問題でしょう。伊藤由貴さんのご指摘ではこの矛盾に夫婦でよく話し合ってということですが、これはもっと根本的な問題が含まれていると思います。また、伊藤由貴さんは調査の数字36%を3割と訳しましたが、私は約4割と訳します。さて、どちらが本当のことを伝えているのでしょうか。考えてみる必要があるようです。

また、伊藤由貴さんは、「「本来なら子どもが3歳になるまで家庭で育てるべきというプレッシャーを抱えながら仕事をしている女性が3割もいた」と記述していますが、「家庭で育てるべきというプレッシャー」という表現は、伊藤さんの一方的な思い込みがあるのではないかという感想を持ちます。

子育てをしたい、子育てが楽しい、子育てをすることによって自分の成長を感じ、人生の喜びや充実感を感じている方もたくさんいます。まず、働き方の見直しが大切で、子供が病気になったときに理解を示してくれる職場を多くすることが大切と思いました。

私が保育園の現場で感じることには、そうした職場は少しずつですが増えています。

 


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